恋愛セミナー12【須磨】第十二帖 <須磨 すま> あらすじ源氏はいよいよ京にいることができなくなり、流罪になる前にみずから須磨へ身を移すことにします。 女性はひとりも連れずに何人かの側近のみを伴なうことにし、二条の屋敷はすべて紫の上(むらさきのうえ・若紫)に託してゆきます。 源氏との別れ際、、紫の上は「鏡にあなたの姿が残るものなら一日中ながめていましょう。」、 花散里は「月が曇るようにいまほんの少しだけあなたの境遇に影がさしているのを嘆かないで。」、 朧月夜は「水の泡のように、私はあなたの帰りをまちきれずに消えてしまうでしょう。」、 そして藤壺は「院との別れでこの世の憂さは味わい尽くしたと思っていたのに、今またさらに。」と、それぞれ歌を返しました。 須磨で源氏は、海辺にほど近い質素な住まいで明け暮れ神仏に祈る日々をおくります。 しばらくは京からの手紙にもなぐさめられていましたが、弘徽殿の皇后が怒り、誰も源氏と係わろうとはしなくなっていまいました。 そんな中、宰相(さいしょう)という位に昇進した頭の中将が須磨を訪ねてきました。二人は親交をあたため、世を嘆きます。 源氏はまわりから勧められて海辺で禊ぎ(みそぎ)をすることにしました。 「八百の神も何の罪も犯していない私を思いやってくださるだろう。」という歌をよむと、たちまち嵐になってしまいます。 住まいに戻っても嵐はやむことなく、源氏はお経を上げ続けます。 夜があけるころ、夢に海の龍王の使いらしき者があらわれ「なぜやってこないのか。」と源氏を探しました。源氏は須磨にいることに嫌気がさしてしまうのでした。 恋愛セミナー12 1 源氏と紫の上 信頼しあうパートナーになりつつある二人。 2 源氏と花散里 源氏の復活を信じる女性。 3 源氏と朧月夜 須磨行きの元になった関係。 4 源氏と藤壺 身を捨てて守ろうとした存在が去る。 5 源氏と頭の中将 逆境にいるライバルにいかに係われるか。 6 帝と朧月夜 他の男性を思う女性を受け入れること。 結婚した紫の上の成長ぶりがわかります。家屋敷、蔵の中にある財宝、そして源氏に仕えていた人々すべてを取り仕切れるまでに、幼かった女の子はしっかりとした女性になったのです。 花散里は、唯一、源氏の帰京を信じる歌を読んでいます。 須磨に行ってからは「梅雨で塀が壊れてしまって・・・。」とさりげなく知らせて直してもらうなど現実的な面があるのですが、それも源氏の力を信じているから。こんな逆境にあるからこそ、頼りにされることは生きがいをもっとも感じることではないでしょうか? 花散里が源氏にとって大切な存在になってゆくのはこの「のせ上手」さゆえでしょう。 帝は朧月夜を許し、宮廷に戻しています。朧月夜は女御にはなれなくても一番寵愛を受ける存在に。いまだ源氏のことを思っていることに気づいていて、絡み嘆きながらも許し愛している。自分が女の立場だったら無理もない、という視点で帝は源氏の存在を受け入れ、自分の力のなさで須磨に追いやってしまったことを気にかけています。 一方、頭の中将は、ライバルをおいて昇進してしまったのを期に、危険をおかして直接会いに来ます。 逆境にいるときの、ライバルの訪問。中将の器量を表現するシーンです。彼もまた、源氏の復活を信じ待っている。 源氏が復活を遂げたとき、出し抜いた、器量のせまい男にはみられたくない、堂々と対峙したいという思いもあるでしょう。 源氏は歌をよみ、絵を描き、念仏三昧に過ごします。そばにいる男たちが、かえって京にいるときよりも側にいられるとよろこぶほどの美しさ。京にいたときの自分の奢りを反省しつつも、「私にはなんの罪もない。」と神に唱えたとたん、嵐をよんでしまいます。 この三人の男性のうち、あなたが惹かれるのはどのキャストでしょうか? ***日記に同じ内容が掲載されています。必ずお返事いたしますので、 よろしかったら日記にコメントいただけるとうれしゅうございます。 よろしくお願いいたします。*** |